物語のサンプル
きつねのかえりみち
むかしむかし、ある森にちいさなきつねがいました。このきつねは「ふーちゃん」といいます。
ある日の夕方、ふーちゃんはお友達と森で遊びすぎて、気がつくともう暗くなっていました。
「あれれ、どうしよう?おうちに帰らなきゃ!」と、ふーちゃんはちょっと心配になりました。
ふーちゃんは森の道を思い出しながら歩き始めました。でも、森は夜になるととても広くて、どこをどう行けばいいのか分かりません。
そのとき、お月さまがニコニコと空から光を照らしました。「ふーちゃん、まっすぐこの光にそっておいで。おうちまで導いてあげるよ。」と優しく言いました。
ふーちゃんはお月さまの言葉を信じて、まっすぐ歩き始めました。すると、うさぎさんやふくろうさんも「ふーちゃん、頑張って!」とおうえんしてくれました。
ふーちゃんはお友だちに支えられながら、どんどん進んでいきました。そして、ついにあたたかい灯りが見えてきました。
「あ!あれは僕のおうちだ!」と、ふーちゃんは嬉しくなって走り出しました。
おうちに帰ると、お母さんきつねがにっこりと迎えてくれました。「ふーちゃん、おかえり。よく頑張ったね。」と頭を撫でてくれました。
ふーちゃんは安心してお母さんのそばでゴロゴロと丸くなって、ぐっすり眠りました。
それからは、遊んだ後にはちゃんとおうちに帰ることを忘れずに、楽しく遊んでおりました。
勇者とやさしいドラゴン
むかしむかし、ある村に、小さな勇者「ゆうちゃん」がいました。
ある日、村にいたずら好きのドラゴンが現れました。村人たちはとても心配しました。
勇者のゆうちゃんは、ドラゴンに会いに行くことにしました。森をぬけて、大きな山へと向かいました。
山の上で、ゆうちゃんはドラゴンを見つけました。ドラゴンは大きな目で泣いていました。
「どうして泣いているの?」と、ゆうちゃんは優しくたずねました。
ドラゴンは言いました。「友達がいなくて、さみしいんだ…。だから、村にいたずらをしてしまったんだ。」
ゆうちゃんはニコニコ笑って言いました。「じゃあ、ぼくたちが友達になろう!」
ドラゴンはびっくりしましたが、とても嬉しくなりました。「本当にいいの?」
「もちろん!」と、ゆうちゃんは答えました。
それから、ゆうちゃんとドラゴンは大の仲良しになりました。村の人たちとも一緒に遊びました。
ドラゴンはもういたずらをしませんでした。村の人々もみんな、ドラゴンを大好きになりました。